イントロダクション
2025年も残すところあとわずかとなりました。今回のmonotips stationは、久しぶりに編集長のあらかわと副編集長のしばっちの2人でお届けします。
今回は、2025年末に突如発表された「GmailのPOP3受信機能の終了」という衝撃的なテックニュースと、組織運営においてリーダーが陥りがちな「仕事を安請け合いしてしまう問題」という2つのテーマについて議論しました。
来たる2026年に向けて、メール環境という「守り」の部分と、仕事の引き受け方という「攻め」の部分、双方の視点から今すぐ見直すべきポイントをお伝えします。
1. Gmail仕様変更の衝撃:POP受信終了にどう備えるか
1-1. 突然の発表と「2026年1月」という期限
2025年11月から12月にかけて、Googleから非常に重要なアナウンスがありました。それは「GmailにおけるPOP3での外部メール受信機能(POP fetching)を終了する」というものです。
これは、独自ドメインのメールなどをGmailの画面で受信・管理していたユーザーにとっては死活問題です。しかも、その期限は2026年1月とされており、発表からわずか1ヶ月程度しか猶予がないという緊急事態です。あらかわ自身も「えっ?」と驚愕し、多くのユーザーが混乱する可能性があるこの変更について解説します。
1-2. なぜ問題なのか?推奨される解決策
これまで多くの個人事業主や企業は、レンタルサーバー等で作った独自ドメインのメールを、Gmailの「設定 > アカウント > 他のアカウントのメールを確認」という機能を使ってPOP3形式で読み込んでいました。これが廃止されると、Gmail上で外部メールが見られなくなります。
POP3終了の背景
POP3は1984年や1996年に策定された非常に古い通信規約です。セキュリティや技術的な観点から、Googleはよりモダンな接続方式(OAuth等)を求めており、古い形式のサポートを終了するという流れです。
現実的な解決策:サーバー側での「転送設定」
あらかわが推奨する最も現実的な対策は、Gmail側で取りに行くのではなく、レンタルサーバー側(Xserverなど)からGmailへメールを「転送」する設定に変えることです。
-
受信: サーバー側でGmail宛に転送設定を行う。これでこれまで通りGmailの受信トレイに届きます。
-
送信: Gmailの「名前をつけて送信(SMTP)」機能は生き残るため、これまで通り独自ドメインでの送信が可能です。
誤解されがちなポイント
「過去のメールが消えるのではないか」と不安になる方もいるかもしれませんが、過去に受信済みのメールが消えることはありません。あくまで「新しいメールを取りに行かなくなる」という変更です。
「一番危ないのは、『何もしてないけど大丈夫だろう』と思っている人。1月になった瞬間にメールが来なくなります」(あらかわ)
1-3. その他の選択肢と注意点
転送以外の方法として、OutlookやThunderbirdなどのメールソフト、あるいはスマートフォンのメールアプリでIMAP接続をする方法もあります。しかし、これには「Gmailの強力な迷惑メールフィルタが使えなくなる」「Gmailの使い慣れたUIが使えない」というデメリットがあります。
また、Google Workspace(有料版)への移行も一つの手ですが、コストがかかります。無料で今の環境を維持したいのであれば、やはり「サーバー側での転送設定」への切り替えが急務です。
1-4. まとめ:年末年始に設定の見直しを
この変更は猶予期間が短く、対応しないと2026年の年明け早々ビジネスがストップするリスクがあります。
アクションプラン:
-
現在、Gmailの設定画面で「他のアカウントのメールを確認」を使っているか確認する。
-
使っている場合は、利用中のレンタルサーバーの管理画面にログインする。
-
当該メールアドレスの「転送設定」を行い、転送先に自分のGmailアドレスを指定する。
2. 「経営は覚悟だ」:安請け合いしてしまう心理と脱却法
2-1. なぜリーダーは「ハイハイ」と言ってしまうのか
副編集長のしばっちが最近感じているテーマは「経営は覚悟だ」ということ。特に、人から頼まれたことに対して、条件反射的に「ハイハイ」と引き受けてしまう「安請け合い」の問題について深掘りしました。
責任感が強く、スピードを重視するリーダーほど、相手の期待に応えようとして即答で仕事を引き受けてしまいがちです。しかし、それが結果として自分自身を苦しめ、組織全体のパフォーマンスを下げる原因になっているかもしれません。
2-2. 安請け合いが招く「ボトルネック」化
スピード感の裏にあるリスク
頼まれたことを即座にやることは、一見すると信頼獲得につながり、スピード感があるように見えます。しかし、何でも自分で引き受けてしまうと、リーダー自身のキャパシティが限界を迎えた瞬間、全ての案件がそこで止まってしまいます。
組織への悪影響
リーダーが「ボトルネック」になると、以下のような悪循環が生まれます。
-
メンバーが自分で考えなくなる(「社長がやってくれるから」という依存)。
-
重要な経営判断やマーケティングなど「緊急ではないが重要な仕事」が後回しになる。
-
結果として、クライアントへのレスポンスや納品が遅れ、逆に信用を落とす。
「優しさ」は「罠」である
しばっちは、自身の経験から「ハイハイと言って動きすぎるのは優しさでもあり、罠でもある」と語ります。目先の相手を喜ばせたいという優しさが、長期的に見ると他の顧客や社員への迷惑につながる可能性があるのです。
「全部やることはできない。やらない仕事を決めて、本当にやらなきゃいけないことだけを経営者はやっていく必要がある」(しばっち)
2-3. 実践!上手な「任せ方」と「断り方」
では、どうすればこの状況を脱却できるのでしょうか。2人の対話から具体的なテクニックが見えてきました。
- 条件付きで任せる
「丸投げ」するのではなく、「期限と優先順位をつけた上で相談してね」と条件をつけてメンバーに任せる。
- 全体像を先に共有する
細かい指示出しの前に、「なぜこれが必要か」という全体像を伝え、判断材料を渡した上で任せる。
- フィードバックで育てる
最初から完璧を求めず、7割の出来でも提出してもらい、そこに対してフィードバックを行うことでメンバーを育てる。
2-4. まとめ:本来やるべき仕事に集中するために
「何でも引き受ける」ことは、思考停止の一形態かもしれません。経営者やリーダーが本来なすべきは、実作業をこなすことではなく、戦略を立て、組織を動かすことです。
「自分がやったほうが早い」という誘惑を断ち切り、勇気を持って「任せる」「断る」「条件をつける」という選択をすることが、2026年に向けた組織の成長には不可欠です。
エピソードの総括
今回の学びとポイント
今回は「Gmailの技術的な変化」と「マネジメントの意識変革」という全く異なるテーマでしたが、共通しているのは**「現状維持のままでは未来に対応できない」**という点です。
押さえておきたいポイント
-
Gmail POP3終了: 2026年1月までに「サーバー転送」へ切り替える。
-
設定の確認: 「他社のアカウントでメールを確認」機能を使っている人は即確認。
-
脱・安請け合い: 即答で引き受ける前に、全体のリソースと優先順位を考える。
-
任せる覚悟: ボトルネックにならないよう、条件付きでメンバーに権限委譲する。
あらかわ・しばっちからのメッセージ
8年以上番組を続けてきた2人も、環境の変化に合わせて試行錯誤を続けています。
「見えてないフリをするのが一番危ない」とあらかわが語るように、面倒な設定変更も、自身の仕事の進め方の見直しも、年末のこの時期にしっかりと向き合ってみてはいかがでしょうか。
次のステップ
まずはご自身のGmail設定を開き、POP3受信の設定状況を確認してください。そして、手元にあるタスクリストを見直し、「これは本当に自分がやるべきか?」「誰かに任せられないか?」と問い直してみましょう。
monotips stationについて
monotips stationは、ビジネスの小技やライフハックを紹介するWebメディア「monotips」から生まれたポッドキャスト番組です。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、ビジネスの現場で役立つ実践的なチップスをお届けしています。
番組の感想やリクエストもお待ちしています。SNSでのハッシュタグ #monotipsstation でぜひ投稿してください!


.jpeg)
-486x290.jpeg)

-300x200.jpeg)