中小個人メーカーだからこそ必要な売上内容の見える化。販売管理システム(販管システム)って何ができるの?



経営に必要な判断をするためには、とても大切なツールです。

クリエイティブやITなどサービスの提供、モノを売らないビジネスでは必要のないシステムかもしれませんが、それ以外の何かしら物品を提供する会社には販売管理システムは欠かせないと考えています。

商品をお客様へ納めるときの納品書や請求書はどういったもので制作していますか?Excelで作っていると言う方もおられるでしょうし、Misocaなどのサービスを利用しているという方もおられるでしょう。しかし、Excelや一部の請求書見積書の制作サービスは、単に「きれいな書類を作るため」だけのサービスであり、経営分析を行うための情報を得ることができません。

あなたは、先月の売り上げがいくらだったかわかりますか?
その売り上げのうち、A商品は何%を占めていますか?
売上トップのB商品ですが、粗利はいくら稼いでいるかわかりますか?
商品の在庫高はいくらあるのか瞬時に把握できますか?

決算では商品ごとの売り上げは評価されず、ざっくりと「売上」と言う費目にまとめられてしまいます。しかしながら実際の経営判断をしていく際には、売れ筋商品とそうでない商品の見極めは非常に重要です。

間違えて売れない商品の在庫まで多く生産してしまうと、在庫が滞留しキャッシュが非常に厳しくなってきます。適格な売上分析と、在庫の把握はメーカーの意思決定には欠かせません。

中小企業だからこそ見える化は徹底したい。使ってみてわかった販売管理システムの良さ。

私がはじめに使っていた販売管理システムは、Excelのマクロを使って自分で組み上げたものでした。それまでは全て手書きの納品書だったので、毎月の売上も手計算しないとわからないという惨憺たる状況だったので、これを打破するためにまず会計システムを組み上げるところからスタートしたのです。これは売り上げを得意先ごとに集計することができるようになったので、毎月締日の請求書作成が非常に楽になったと共に、今の会社の売上金額がほぼリアルタイムで把握できるようになったことはとても良かったです。

しかし、あくまでも納品書ごとの集計を別表に集めるだけの簡易なマクロだったので、商品ごとの売上分析管理することはできませんでした。結局毎月末に商品カテゴリーごとにもう一度伝票を見て手計算するという非常に面倒くさいことをやっており、取引量が増えてくるとこの計算にかかる時間も膨大になってきたため、このままでは全く営業にできなくなってしまうと言う危機感から販売管理システムを導入することにしました。

ちなみにこのExcelのマクロは、そのまま納品書になるフォーマットでした。そして別途請求書のフォームにも書き出しができるということで一通り今できる販売管理システムの原型はできていたのではないかなと言うふうに思っています。

とにかくコストが魅力のフリーウェイ販売管理。販管システムを使ったことがない方ならまずここから始めてみよう。

私が次に導入したのがフリーウェイ販売管理でした。プロプランでも月々2,980円と非常に安いのが特徴ですが、販売管理と言えるだけの分析能力は十分に備えたクラウドサービスです。

導入にあたっての事前準備としては、
・得意先ごとの取引条件マスター
・商品マスター(製造原価があるとなおよい)
を登録すれば準備完了となります。

フリーウェイ販売管理でできること

・納品書の発行
・請求書の発行
・入金管理
・カテゴリ分析
・商品別分析

フリーウェイ販売管理のオススメポイント

1、とにかくコストが安い。

納品書が1,000行を超えるまでは無料で使うことができます。取引量が少ない方にとっては1年ぐらいこのままフリーで使えてしまうかもしれません。とりあえず販売管理をする必要性について体感するためには非常におすすめのサービスといえます。それ以降でも月々2,980円と非常に安いため、今MisocaやExcelを使っている方には、まずこの無料の状態で使ってみることをお勧めします。

2、売り上げ分析の際の書き出しフォーマットが優秀。

フリーウェイ販売管理は、出力物は全てPDFで書き出されると言う特徴があります。経営分析の時に出てくる商品ごとの売り上げや、商品カテゴリーごとの売り上げも全てPDFによって書き出されてくるのですが、このPDFファイルが意外と優秀なのです。A4 1枚で、非常にシンプルにわかりやすくカテゴリごとの売り上げを集計することができます。これは体感的に非常にわかりやすい。画面上ですぐに確認できないという点については好みが分かれると思いますが、「数字が見えるって助かる」という感覚を感じやすいフォーマットです。

フリーウェイ販売管理のここが残念

1、掛け率という概念が無い。

卸商売を行っていたら必ず直面する「掛け率」という言葉。卸価格がいくらになるかという割合なのですが、フリーウェイ販売管理には掛け率を設定する項目がありません。では全て手で打ち直すのかというとそうではなく、商品ごとに4種類の価格を設定できるようになっているのです。

単価種別という項目を自分で設定しセレクトします。取引条件や得意先が少ない場合は手作業で対応できるのですが、得意先によって掛け率のパターンが色々と変わる場合、手入力で単価を修正したり、別商品としてマスターを作成するなどといった工夫が必要になります。また、売上入力を行う際に得意先番号に紐付いて自動で単価種別が変わる、ということもできません。誤った価格で納品書を作らないよう、細心の注意が必要となります。ここは少し不便な点です。

2、在庫とは連動しない

あくまでも納品書を作成しそれに紐付いた請求書を作成する。および商品やカテゴリごとの大きな区分けでの売り上げを分析することができるというだけのシステムとです。なのでこのシステムだけで会社の全ての情報を把握することはできません。ここは割り切って使うべきでしょう。

3、システムが若干不安定で、入力していた数字が消えることがちょくちょくある。

少し長い期間の集計をしている時や、20行ぐらいの伝票を打っているときに誤って同じ操作を2回押してしまうなどをすると簡単にデータが飛んでしまい、「あー……」となったことが何度もあります。この辺は安さとのトレードオフなのかなとも思います。ちなみに、3年ほど使用しましたが完全にマスターデータが無くなる、アクセスできなくなるなどの症状は発生しませんでした。サポートもメールではきちんと対応してくださいました。

感覚としては、今までポケベルもなんにも持っていなかった人に対してさんざん「携帯いるでしょ」と勧められて、初めて持ったガラケー、という感じです。無いよりは圧倒的に便利です。しかも安い。やはりここは正義だと思います。

体感的には、ガラケーがフリーウェイ販売管理、そしてスマホが次に紹介する販売管理システムのgenesissだと考えています。genesissに関しては長くなったので別記事にまとめます。




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ABOUTこの記事をかいた人

荒川 翔太

クラハイト合同会社CEO  中小、ベンチャー、ひとりメーカー向けTIPS情報メディア「monotips」の編集長。ものづくりメーカーの経験を活かした、ベンチャー、中小、個人メーカー、企業の業務改善コンサルティングを行なう。株式会社ロンド工房のクリエイティブ・ディレクターとして、皮革製品、文房具、雑貨の企画、製造、販売も行なっている。